京都府公立高校入試2027|共通枠の志望校はどう選ぶ?独自枠と合わせた出願の考え方

「独自枠では上位校に挑戦したいです。では共通枠は、どこを選べばよいでしょうか?」

制度の説明を読んで、独自枠と共通枠の違いは何となく分かった。でも、わが子の出願先をどう組み合わせればよいかとなると、迷ってしまいますよね。
2027年度の京都府公立高校入試では、受検できる学校の数だけではなく、判定の順序と、本人が進学したい学校を合わせて考える必要があります。

入試制度ブログ第7回では、これまでの説明会でお伝えした内容をもとに、独自枠と合わせて共通枠の志望校をどう選ぶかを整理します。
宇治市から全日制の高校を目指すご家庭を念頭に、親子で確認しておきたいことをまとめました。

また、塚本塾では12月6日(日)に、塾に通っていない小中学生と親御さんを対象とした「京都府公立高校入試制度説明会」を開催します。記事を読んで「わが子の場合はどう考えればよいのか」と感じた方は、制度と高校選びを整理する機会としてご利用ください。

出願の仕組みそのものは第2回でも説明しています。今回は、その仕組みを実際の学校選びと学習の準備に結び付けて考えていきましょう。

共通枠も「合格したら通いたい学校」を選ぶ

塚本塾の説明会では、「共通枠を、単なる滑り止めと考えるのではなく、もうひとつ別の入試だと考えてください」とお伝えしました。
独自枠で合格とならなかった場合、共通枠でも、その枠の教科・配点・判定方法に基づいて選抜されます。

もちろん、合格の可能性を考えることは大切です。ただ、「ここなら滑り止めになりそう」という理由だけで決め、合格後に「本当は通いたくなかった」となっては困りますよね。

挑戦する学校を考えるのと同じくらい、共通枠の学校を知る時間も大切にしてください。教育内容、校風、通学、大学進学に向けた学習環境などを確かめ、本人が納得できる候補を探しましょう。

「第1志望第2順位」と「第2志望」は、同じようなものではない

最初に、間違えやすいふたつの事柄を確認しておきます。
共通枠の全日制では、第1志望の中に第1順位・第2順位があり、それとは別に第2志望があります。

志願する枠・欄位置付け
独自枠1校・1学科、系統等を志願する。共通枠より先に判定する。
共通枠:第1志望第1順位共通枠で優先して行きたい志願先。第1順位を優先する判定がある。
共通枠:第1志望第2順位第1志望の中のもう一つの志願先。第1順位を優先する判定の後、第1順位の希望者と合わせて判定される。
共通枠:第2志望第1志望で合格者を決めた後、その学科等に欠員がある場合に判定する。

日常会話では「第一希望の次だから第二希望」と言いますが、制度上の第2志望には欠員がある場合、という条件があります。共通枠で次に希望する学校を考えるとき、「第1志望第2順位」と「第2志望」を取り違えないようにしてください。

独自枠1つと共通枠最大3つを合わせて、最大4校・4学科等を志願できます。ただし、志願できる数が増えるからといって、すべて同じ条件で4回の合格判定を受けられるという意味ではありません。

第2回|出願先と判定の順序を確認する

独自枠で合格したら、共通枠の判定には進まない

独自枠と共通枠の組み合わせを考える際に、特に確認してほしいことがあります。独自枠で合格すると、その時点で合格が確定し、共通枠の判定には進みません。

例えば、独自枠でA校、共通枠でB校を志願する場合です。A校に合格したあと、共通枠のB校の判定も受けてから、どちらにするかを選ぶ仕組みではありません。

「本当に行きたいのはB校だが、独自枠も出願できるのでA校も書いておく」という安易な発想なら、それは考え直してください。A校に合格した場合、本人がそこで学ぶことに納得できるかを確認する必要があります。

独自枠の候補は、難易度や受検科目だけでなく、入学したいという意思を持てる学校・学科から考えましょう。独自枠を使うかどうかも含め、中学校や塾の先生と相談してください。

第1順位は、希望と現在の学力の両方から考える

共通枠では、第1順位の希望者を優先して合格者を決める制度があります。
その後、第1順位で合格とならなかった人と第2順位の希望者を合わせて判定します。両方で合格範囲となる場合は、第1順位の学校の合格者となります。

そのため、「どうせ同じ点数で見てもらえるのだから、どの順番でも同じ」ということではありません。一方で、合格しやすそうな順に並べればよい、とも言い切れません。

本人がどちらの学校により通いたいか、今の学力と内申点がどの程度か、どの教科を伸ばせるかを整理して、順位を検討してください。希望する理由と、学力面の見通しの両方をはっきりさせることが大切です。

模試の判定が不安だからといって、すぐに挑戦をやめる必要はありません。反対に、「あとで何とかなる」という神頼みだけで決めることも避けたいところです。これからの学習計画まで含めて、現実的に相談しましょう。

第2志望を出しても、最後に必ずチャンスがあるわけではない

第2志望は、第1志望の選抜後に欠員がある場合の判定です。欠員がなければ、第2志望としての選抜は行われません。

「第1志望の2校で合格しなくても、第2志望に書いた学校があるから大丈夫」と考えるのは危険です。人気のある学校では欠員はほぼ出ませんし、その動向を出願前から確実に見通すこともできません。

第2志望を検討する場合も、その学校の学習内容や通学条件を調べ、進学する意思を確認します。ただし、合格を保証してくれる枠として当てにせず、第1志望との組み合わせを丁寧に考えることが必要です。

ここまでの話で、「第1志望の順位と第2志望を、わが家ではどう考えればよいのか」と感じた方もいると思います。12月6日の説明会では、独自枠・共通枠の仕組みと判定の流れを整理し、高校選びと今からの準備につなげてお話しします。

12月6日(日)入試制度説明会の詳細を見る

堀川・西京・嵯峨野を独自枠で志望する場合

第4回で扱った堀川の探究学科群、西京のエンタープライジング科、嵯峨野の京都こすもす科には、共通枠の募集がありません。共通枠も志願するなら、別の学校・学科を組み合わせて考えます。

「専門学科が難しければ、その学校の普通科へ」と、以前の感覚で考えていないか確認してください。2027年度に募集する学科と枠を、学校ごとに調べる必要があります。

また、専門学科と普通科では、志願できる地域などの条件が異なることがあります。
宇治市・城陽市から通える距離にあるからといって、その学校・学科を必ず志願できるとは限りません。親御さんの住所に対応した通学区域と、各校の募集内容を確認しましょう。

学校別の検査内容・配点や地域による判定条件は、第4・5回で整理しています。共通枠の候補を考える前に、独自枠の志望先についても確認しておいてください。

第4回|堀川・西京・嵯峨野の入試比較

第5回|桃山・城南菱創・南陽の入試比較

共通枠を志願するなら、5教科の準備を怠らない

独自枠の対策に力を入れると、その枠で使う教科だけに勉強が偏りがちです。しかし、共通枠も志願するなら、2月18日の統一学力検査は国語・数学・英語・理科・社会の5教科すべてを受検します。

例えば、独自枠で英数国の個別検査だけを使う学校でも、その個別検査の得点を、そのまま共通枠の英数国に使うわけではありません。共通枠では、統一学力検査の得点を使います。

個別検査で考え、記述する力と、統一検査で幅広い範囲を正確に解く力を、並行して伸ばす必要があります。理社を長く放置したり、英数国の基本事項を確認しないまま難問だけに取り組んだりしないようにしましょう。

塚本塾の説明会でも、志望校の個別検査への準備と、5教科の基礎・標準問題の定着を、両方進めることをお伝えしました。共通枠の候補まで考えることで、今日の勉強で不足していることも見えてきます。

学校名を考える前に、親子で確認したい5つのこと

ここまで読んでも、志望校はなかなか決まらないものです。そんな時は、学校名を並べる前に、次の5つを話し合ってみてください。

確認すること話し合う内容
① 合格したら通いたいか独自枠・共通枠のどの候補でも、本人が入学後を具体的に考えられるか。
② 何を学びたいか教育課程、探究活動、文理の選択、大学進学に向けた学習環境が希望に合うか。
③ 毎日通い続けられるか登校時間帯の所要時間、乗り換え、交通費、部活動後の帰宅などを確認したか。
④ 学力と内申点の課題は何か模試の判定だけでなく、教科別の失点や未定着の範囲、学校の評定を確認したか。
⑤ これから何を変えるか志望先に必要な力を伸ばすため、学習の優先順位と日々の取り組みを決めたか。

親御さんは合格の可能性、本人は校風や部活動を気にするなど、重視することが違う場合もあります。どちらかの希望を先に否定するのではなく、「どうしてその学校がよいと思うのか」を具体的に考えてみましょう。

説明会に参加したり、登校時間帯の経路を調べたりすると、漠然とした印象が変わることもあります。まだよく知らない学校を、名前や偏差値だけで候補から外してしまうのはもったいないですよね。

最後は「どの枠で出願するか」と「進学したい理由」を一緒に確認

候補が絞れたら、独自枠、第1志望第1順位、第1志望第2順位、第2志望のどの枠で考えているかを、学校・学科名と一緒に整理します。様々なことを実際に書き出してみると、親子の認識の違いにも気づきやすくなります。

例えば、次のようなメモを作ってみてください。欄を埋めることが目的ではなく、候補と希望の理由を確認するためのものです。最大数まで必ず志願しなければならないわけではありません。

メモする項目記入する内容
志願する枠・順位「共通枠・第1志望第2順位」など、制度上の枠と順位
学校・学科等学校名だけでなく、普通科・専門学科・系統なども書く
進学したい理由学びたいこと、校風、通学など、本人の言葉で書く
入試に向けた課題教科別の課題、必要な記述力、内申点など
先生に確認すること志願資格、通学区域、募集する枠、順位、出願手続など

出願後に志望先を変更することは認められていません。共通枠の志願先を辞退できる期間は別に設けられていますが、それは別の学校へ変更できるという意味ではありません。入力・出願前に、中学校の先生と十分に確認してください。

後期選抜を、いつでも選べる次の機会と考えない

2027年度の後期選抜は、前期選抜などの後に欠員のある学科を対象として実施されます。希望する学校が後期選抜を行うとは限りません。

「まず前期を受けて、その結果を見てから別の公立高校をゆっくり考える」というつもりでは、希望する進路を選べないことがあります。前期の出願を考える段階で、独自枠と共通枠を一緒に検討しておくことが重要です。

結果が出る前に多くのことを決めるのは難しいものです。だからこそ、学校を知ること、現在の学力を確かめること、家族で話し合うことを、少しずつ進めておきましょう。

挑戦したい学校と、納得して進学できる学校を考える

出願先を増やすことだけが、進路の準備ではありません。独自枠と共通枠の判定順序を理解し、それぞれに合格した場合の高校生活まで考えることが必要です。

塚本塾では、合格の可能性を見極めることと、挑戦する気持ちを大切にすることを、両方考えています。志望校を決めたら、そこに届くために何を伸ばすかを具体的にして、今日の学習につなげていきましょう。

そのためにも、まずは親御さんとお子さんが、制度について同じ理解を持つことが大切です。「最大4校だから安心」「独自枠で受かってから進学先を選べる」といった思い違いをなくし、納得できる出願と学習の準備を進めてください。

12月6日(日)京都府公立高校入試制度説明会を開催します

「入試制度の説明は読んだけれど、学校選びにどう生かせばよいか分からない」
「中1・中2の今から、何を準備すればよいか知りたい」
そんな親御さんに向けて、塚本塾で説明会を開催します。

正式な選抜要項に基づき、独自枠・共通枠の仕組み、合否判定の流れ、内申点の扱い、高校ごとの検査内容・配点、学年に応じた準備を整理してお伝えします。
堀川・西京・嵯峨野・桃山自然科学科・城南菱創・南陽の6校を中心にお話しします。

項目内容
日時2026年12月6日(日)10:00~11:30
会場塚本塾(近鉄伊勢田駅から徒歩2分)
参加費無料
対象塚本塾に通っていない小中学生と親御さん
内容の中心中学1・2年生の親御さん向け。小学生・中学3年生の親御さんもご参加いただけます。
申込締切12月5日(土)

他の塾に通っている方もご参加いただけます。親御さんのみでも、お子さんとご一緒でも結構です。
入試の仕組みを知り、これからの高校選びや勉強について、親子で考えるきっかけにしてくださいね。

12月6日(日)説明会の詳細・お申し込み

お申し込みフォームでは、「お問い合わせ講座・イベント」で「12月6日(日)公立高校入試制度説明会」を選び、参加希望者数をご入力ください。

次回の第8回は、入試までの準備をまとめます。志望校選び、個別検査と統一検査の勉強、出願手続を、どのように進めるかを整理する予定です。

参考資料

京都府教育委員会「令和9年度京都府公立高等学校入学者選抜要項」の出願に関する注意(3~5ページ)、前期選抜の検査・選抜方法(6~8ページ)、後期選抜(19ページ)と、塚本塾の入試制度説明会資料に基づいています。志望校の検討方法や学習については、塚本塾による提案です。

京都府教育委員会|令和9年度入学者選抜に関する公式資料

※2026年10月25日時点の公表資料に基づく内容です。志願資格や通学区域、学校別の募集内容、出願手続は、最新の募集要項と中学校の案内でご確認ください。