京都府公立高校入試2027|堀川・西京・嵯峨野の違いを配点と受検条件から比較

「堀川・西京・嵯峨野を目指すなら、ひたすら必死に勉強をしていればよいのでしょうか?」

京都府公立高校の進学校として名前が挙がる3校ですが、2027年度入試の配点や選抜の条件は同じではありません。
英語・数学・国語の学校個別検査を軸にするという共通点がある一方、どの教科の得点を重く見るか、内申点をどう使うか、地域による判定条件には違いがあります。

入試制度ブログ第4回では、説明会でお伝えした内容をもとに、堀川の探究学科群、西京のエンタープライジング科、嵯峨野の京都こすもす科を比較します。
宇治市から受検を考えるご家庭が、志望校選びと学習計画に生かせるポイントを整理します。

3校の共通点は「英数国の個別検査+理社の統一検査」

堀川のA方式、西京のA方式1型、嵯峨野のA方式では、英語・数学・国語に各学校が作成する個別検査を使い、理科・社会には全校共通の統一学力検査を使います。

2027年度は、2月18日に統一学力検査、2月19日に学校個別検査が行われます。
5教科すべてを同じ種類の問題で受けるわけではないため、個別検査と統一検査、それぞれに合わせた準備が必要です。堀川のD方式については、後で別に説明します。

配点を比較すると、学校ごとの違いが見える

下の表は、主な方式・判定で使われる配点です。「報告書」は、ここでは内申点として点数化される部分を示しています。理科・社会は統一学力検査の得点を、各校の配点に換算して使います。

学校・方式/判定国語・数学・英語理科・社会報告書
堀川・A方式国100・数100・英100理40・社40100
西京・A方式1型国100・数150・英150理50・社50135
嵯峨野・判定Ⅰ
自然科学系統
国100・数200・英100理80・社40135
嵯峨野・判定Ⅱ
文理科学系統
国150・数150・英150理40・社40135
嵯峨野・判定Ⅲ
文理科学系統
国100・数100・英100理40・社40270

例えば西京では英語と数学、嵯峨野の自然科学系統では数学と理科の配点が高くなっています。同じ教科で同じ割合の得点を取っても、選抜で使われる点数への影響は異なります。

ただし、配点の高い教科だけ勉強すればよい、という意味ではありません。苦手教科での失点を減らしながら、志望校の配点に応じて得点力を伸ばすことが大切です。

堀川高校|英数国の記述力と、地域による判定条件を確認

A方式は230人。英数国は各100点

堀川高校の探究学科群は、人間探究科と自然探究科をまとめて募集します。A方式の募集人員は230人で、英数国の個別検査が各100点、理社が各40点、報告書が100点です。

個別検査では、文章の意味を正確に読み取り、自分の考えや解答の根拠を筋道立てて示す力が問われます。数学も答えを出すだけで終わらず、証明や考え方の説明まで書けるようにしておきたいところです。

宇治市から受検する場合、募集定員は154人と考える

堀川のA方式では、まず全受検者を対象に154人の合格者を決めます。続いて、そこで合格とならなかった受検者のうち、保護者の住所が京都市・乙訓地域にある人を対象に76人を選抜します。

保護者の住所が宇治市にある場合、基本となるのは最初の154人の判定です。「募集230人だから、全員が230人分の判定を同じ条件で受ける」と捉えないようにしましょう。

なお、後の判定で76人に達しない場合は、最初の判定で合格範囲外となった人から定員を満たすまで合格者を決める扱いがあります。地域条件は、学校の所在地や通っている中学校ではなく、保護者の住所で確認します。
ただ実際には、堀川高校で定員割れすることは、まずないことでしょう。

D方式は10人。面接を含む別の準備が必要

堀川には、A方式とは別に10人を募集するD方式があります。英数国が各100点、面接が150点で、報告書は提出しますが点数化されません。面接の参考資料として「学びの軌跡」を提出します。

D方式の独自枠だけを受検する場合、統一学力検査は必要ありません。ただし、共通枠で他校も志願する場合は、統一学力検査の5教科を受検します。D方式を考えるときは、学力に加えて、自分の経験や学びを具体的に伝える準備が必要です。

西京高校|英語・数学の得点力を高めたい

西京高校のエンタープライジング科では、A方式1型の募集人員が144人です。
国語100点に対して、数学と英語は各150点。理科・社会は各50点、報告書は135点です。

英語と数学の配点が高いことが、堀川A方式との分かりやすい違いです。英語は長文は非常に長く、これを正確に読めるか、数学は条件を整理して解答を組み立てられるかを、時間を区切った演習を重ねてください。

ただし、「英数が得意だから国語や理社は後回し」でよいわけではありません。国語の読解・記述、理社の基礎知識と資料の読み取りも、得点を支える大切な要素です。

なお、西京にはA方式2型の16人募集もありますが、陸上競技での顕著な実績などを求める別の型です。普通のケースではA方式1型の144人枠となります。自分が受検する型の条件をよく確認してください。

嵯峨野高校|系統と判定によって配点が変わる

嵯峨野高校の京都こすもす科は、自然科学系統80人、文理科学系統240人を募集します。
選抜は判定Ⅰ・判定Ⅱ・判定Ⅲの順に行われます。受検生が、得意教科に合わせて3つの判定から自由に選ぶ仕組みではありません。

自然科学系統は数学200点・理科80点

判定Ⅰでは、自然科学系統を第1希望とする受検者から80人を選抜します。数学200点、理科80点という配点のため、自然科学系統を目指すなら、数学の思考力・処理力と理科の理解を特に伸ばしておきたいところです。

高校で自然科学分野を深く学びたいという希望があるかも、学校選びの大切な軸です。入試の得意不得意と、入学後に学びたいことの両方から考えましょう。

文理科学系統は、判定Ⅱと判定Ⅲで配点・対象が違う

判定Ⅱでは、文理科学系統を第1希望とする人と、判定Ⅰで合格とならず文理科学系統を第2希望とする人から、120人を選抜します。英数国は各150点、報告書は135点です。

判定Ⅲでは、判定Ⅱで合格とならなかった人のうち、保護者の住所が京都市・乙訓地域にある人から120人を選抜します。英数国は各100点、報告書は270点で、判定Ⅱより内申点の配点が高くなっています。

保護者の住所が宇治市にある場合、文理科学系統では基本的に判定Ⅱを見据えて準備します。
ただし、判定Ⅲで定員を満たさない場合には、判定Ⅱで合格範囲外となった人から、判定Ⅱの方法で定員を満たすまで選抜する扱いがあります。が、これも堀川と同様に、こすもす科が定員割れすることは考えにくく、可能性は低いです。

嵯峨野を考える際は、自然科学系統と文理科学系統のどちらを希望するか、両方を希望する場合の順序、保護者の住所による条件を、中学校と募集要項で確認しましょう。

3校を目指すなら、今からどんな勉強が必要?

英数国は「分かった」から「答案に書ける」へ

個別検査への準備では、難しい問題をたくさん解くことだけに目を向けず、解答までの過程を確認することが大切です。

教科普段の学習で確認したいこと
英語文の構造と内容を正確に捉える。根拠をもって答え、英語で表現する練習をする。速読が不可欠。
数学条件を整理し、途中式・証明・考え方を他の人に伝わる形で書く。
国語本文の根拠を見つけ、設問の条件に沿って必要な内容をまとめる。世の中の出来事を広く知る。

解説を読んで理解できた問題でも、自分だけで答案を作ると止まってしまうことがあります。解き直しでは、解答を見ずに最初から書き、どこまで自力でできるかを確かめましょう。

理社は、取りこぼしを減らして安定した得点へ

塚本塾の説明会では、上位校を目指すための学習目標として、理社で9割を確保することをお伝えしました。これまで独自問題だったものが共通問題でまかなわれる形になるので、高得点は必至です。
もちろんこれは公式の合格基準ではありませんが、基礎事項や標準的な問題については、上位校では確実に押さえるべきです。

用語を覚えるだけでなく、実験の条件、グラフ、地図、歴史資料を読み取る練習を重ねましょう。個別検査の対策に時間をかけるためにも、理社の基本事項を早めに定着させておきたいところです。

内申点の準備も、普段の授業から

3校の主な方式では、内申点も選抜に使われます。定期テスト前だけでなく、普段の授業の理解、提出課題、学習の振り返りを積み重ねましょう。

内申点の基本的な計算方法と、共通枠・独自枠での違いは、第3回で説明しています。

共通枠で他校も志願するなら、統一検査は5教科

今回紹介した3校の学科には、共通枠の募集がありません。他校を共通枠で志願する場合は、その志願先も含めた準備が必要です。

例えば西京の独自枠では英数国に個別検査を使いますが、共通枠で他校も志願するなら、英数国の統一学力検査も受検します。個別検査の英数国の得点を、他校の共通枠にそのまま使うわけではありません。

独自枠の志願先を考えるときから、共通枠でどの学校・学科を志願するかも合わせて検討しましょう。出願の組み合わせと判定の順序は、第2回で整理しています。

志望校選びは、配点と「入学後に学びたいこと」の両方から

堀川・西京・嵯峨野を比べる際は、学校の知名度や模試の判定だけでなく、個別検査の内容、教科の配点、内申点、地域条件を確認することが大切です。

そのうえで、学校説明会などを通じて、教育内容や校風、自宅からの通学も確かめてください。得意教科が生かせることに加え、入学後の3年間でどんな学びをしたいかを、本人とご家庭で話し合いましょう。

塚本塾では、説明会でお伝えした制度の情報を、日々の学習や志望校選びにつなげて考えています。次回は、桃山・城南菱創・南陽の入試の違いを取り上げる予定です。

参考資料

京都府教育委員会・京都市教育委員会「令和9年度 京都府公立高等学校入学者選抜 概要及び前期選抜独自枠等募集要項」の嵯峨野(41ページ)、西京(61~62ページ)、堀川(68~69ページ)を確認しています。学習の進め方に関する部分は、塚本塾の説明会でお伝えした考え方です。

京都府教育委員会|令和9年度入学者選抜に関する公式資料

※2026年10月10日時点の公表資料に基づく内容です。出願時は最新の募集要項と中学校の案内をご確認ください。