運動の体力とは違う「勉強体力」  受験の長距離レースでは頭脳の持久力が必須です

「ハードな部活をやっているし、体力もあるから勉強も長く続けられるはず」と思っていませんか?
実はそう単純ではありません。部活で何時間も練習できる子でも、机に向かうと数時間で疲れてしまうことはよくあります。なぜなら、スポーツの体力と勉強の体力は別のものだからです。
受験は長距離走のようなもの。走る力ではなく、机に向かい続ける持久力が必要です。
親御さんがその違いを理解し、お子さんを支えてあげることが、これからの学習に大きな力となります。

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運動体力と勉強体力の決定的な違い

今回のお話しは、塚本が塾の現場で得た体感的なことについてです。全てに科学的な根拠があるわけではありません。
多分に主観が入っておりますので、その点ご了承ください。

一般的には、スポーツで培った体力があるから勉強もできる、ということが言われますが、実際にはそうではないようです。
スポーツ体力は筋肉や心肺機能を中心に使う力であり、勉強体力は脳や意志を使い続ける持久力です。似ているようでいて、求められるものはまったく違います。

実際、運動部で何時間も練習をこなす子が、机に向かうと1時間ほどで集中が途切れてしまうことは珍しくありません。それは、体が疲れるのと、脳や意志が疲れるのとでは性質が違うからでしょう。
こういう違いがあることを、まずは親御さんが認識してください。

まあ、当たり前のことではありますが、ちょっと表にまとめてみました。

運動体力と勉強体力の違い

項目運動体力勉強体力
主に使う力筋力・心肺機能精神的持久力・脳の集中回復力
疲労の種類肉体的疲労(筋肉・心肺)認知的疲労(脳・意志力)
限界のサイン息切れ・筋肉痛集中の途切れ・姿勢が崩れる
鍛え方筋トレ・走り込み勉強時間の反復・休憩を挟んだ集中訓練

科学的根拠から考える“勉強体力”の育て方

勉強体力は生まれつきの才能ではなく、一部の研究では、きちんとした方法で鍛えることができるとわかっているそうです。

ある心理学者の研究では、「短い時間の勉強を繰り返すことが学習定着に効果的」であると示しました。
例えば50分勉強して10分休む。このリズムを続けることで、脳が疲労から回復し、結果的に長時間机に向かえるようになるそうです。

また、別の心理学者が提唱した「熟達理論」というものによると、
人が何かの力を伸ばすには、「集中した短時間の練習を繰り返す」ことが効果的だということです。つまり勉強体力も、適切な休憩を取りながら繰り返し学習することで伸びていくのです。

家庭で実践するなら

では、家庭で勉強体力をどう育てればよいのでしょうか。
無理に、「今日は8時間やりなさい」と言う必要はありません。それよりも、段階的に少しずつ伸ばしていく方が確実です。

まずは「50分勉強+10分休憩」を習慣化することを考えてみましょう。
最初は合計2時間でも十分です。大切なのは続けることですから。

さらに、勉強時間を見える形にすることも効果的です。
「今日は昨日より30分長くできたね」と数値で伝えれば、お子さん自身も達成感を持てます。小さな成功を積み重ねることで、自信が自然に育ちます。

そして当たり前ですが、家庭では学習の妨げとなる要素をできるだけ取り除くことです。
スマホの通知やテレビの音などは集中を途切れさせる大きな原因です。家族でルールを作り、勉強に集中できる環境を整えてください。

長期休暇は大きな成長のチャンス

夏休みや冬休みは、勉強体力を大きく伸ばす絶好の機会です。
普段は放課後の1時間程度しか勉強できないお子さんでも、休み中なら1日を学習に使えます。ここで挑戦する「8時間学習」の経験は、後々の大きな自信につながりますよ。

もちろん最初から毎日8時間を続ける必要はありません。
3~4時間から始め、6時間、そして8時間へと段階的に伸ばしていけばよいです。一度でも「自分は8時間勉強できた」という経験を持つことが、いざ受験勉強に向かう時の強さにつながります。

家庭では難しいときは、塾や図書館など「学ぶための環境」を活用してください。
同じように勉強している仲間に囲まれると、不思議と自分も集中できます。親御さんが環境を用意してあげることも、大切なサポートになります。

ただし、「友達と一緒に勉強する」は、絶対に成り立たないのでアウトです。

まとめると

勉強体力とは、運動体力とは異なる「脳と意志の持久力」です。
そしてそれは、誰にでも育てることができます。

親御さんにできることはこんなところでしょうか。

  • 50分+10分休憩のリズムを整える
  • 勉強時間を記録して一緒に振り返る
  • 集中を妨げる要因を減らす
  • 長期休暇に挑戦できる環境を作る

この積み重ねが、お子さんを「長時間勉強が当たり前にできる学習者」へと成長させます。

親御さんはどうか焦らずに、根気よく支えてあげてください。時間をかけてください。
スポーツと同じように、勉強にも練習の積み重ねが必要です。小さな努力を続けることで、お子さんは必ず強い勉強体力を身につけていきます。
親御さんの温かい後押しが、受験を走り抜く大きな力となるのです。

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