「堀川・西京・嵯峨野を目指すな…
京都府公立高校入試2027|小論文がなくても記述対策は必要?上位校を目指す英数国の勉強法
「募集要項に小論文や作文の配点がないなら、記述の練習は減らしてもよいのでしょうか?」
検査項目から作文・小論文という言葉が見当たらないと、そう考えるのも無理はありません。しかし、独立した小論文・作文の検査がないことと、記述する力が必要ないことは別です。
塚本塾の入試制度説明会でも、上位校を目指すなら、読む・考える・根拠を拾う・まとめて書く練習を続ける必要があるとお伝えしました。
入試制度ブログ第6回では、第4・5回で比較した6校の入試を踏まえ、英語・数学・国語の勉強をどう進めるかを考えます。制度を知るだけで終わらずに、今日の演習に活かしていきます。
小論文の独立配点がなくても、教科の中で記述力を問われる
今回の説明会で扱ったのは、堀川の探究学科群、西京のエンタープライジング科、嵯峨野の京都こすもす科、桃山の自然科学科、城南菱創の教養科学科、南陽のサイエンスリサーチ科です。これらの対象学科の2027年度募集要項では、作文・小論文を独立した検査項目として点数化していません。
ただし、各教科の個別検査には、記述や表現を求める内容があります。例えば、堀川の国語では読んだ内容を筋道立てて表現する力、西京の数学では証明を含む記述、桃山の自然科学総合では科学的に考えて説明する力、南陽の個別検査では英数国の記述が求められます。
「小論文対策をするかどうか」ということだけで考えると、教科の中で必要な書く力を見落としてしまいます。長い文章を書くだけでなく、設問に合った内容を、根拠とともに過不足なく答えることが大切です。
なお、京都府内のすべての公立高校で作文・小論文がない、という意味ではありません。検査項目は、志望する学校・学科・方式の募集要項で確認してください。
解説を読めば分かるのに、自分では書けないのはなぜ?
解説を読んだときには「なるほど」と思えたのに、解答を閉じると手が止まる。このような経験はありませんか。
解説には、何に注目するか、どの知識を使うか、どの順番で説明するかが整理されています。それを読んで理解することと、自分で必要な情報を選び、答案を作ることは全くの別物です。
例えば、国語で解答例に納得できても、本文のどこを根拠にするかを自分で探し、出題者の意図を汲み取る意識を持っていなければ、次の問題でまた止まってしまいます。
数学も、解説の式を追えるだけでは、初めて見る条件から式を立てられるとは限りません。他人が上手にやっているのを見るのと、自分でイチからやるのとでは大違いですよね。
勉強の到達点を「解説を読んで分かった」から、「解答を見ずに自分で書けた」へ進めなければなりません。そのために必要なのが、書いて確かめる演習です。
英語|本文の根拠と、答えるために使う文法をリンクさせる
英語の記述問題では、読めることと書けることの両方が必要です。単語の意味をつなげて大まかに内容をつかむだけでなく、誰が何をしたのか、何が理由なのかを正確に捉えましょう。
次は、考え方を確認するための短い文の例です。
| 本文・設問 | 答えと確認点 |
|---|---|
| 本文:Mika missed the bus, so she walked to school. 設問:Why did Mika walk to school? | 解答例:Because she missed the bus. 確認点:歩いた理由を本文から拾い、過去の出来事として表現する。 |
ここで「歩くのが好きだから」と自分の想像で答えてしまうと、本文の内容とは合いません。また、理由が分かっていても、主語や動詞の形が崩れると、正確に伝わらなくなります。
直しの際には、読み違えたのか、根拠を取り違えたのか、英文にする段階で止まったのかを分けて確認してください。英作文で間違えたなら、必要な文法や語句に戻り、自分でもう一度書きます。
長文を読む速さも大切ですが、急いで読んで内容を取り違えては得点につながりません。まず正確に読み、そのうえで時間内に読んで答える練習を重ねてください。
数学|答えだけでなく、式の意味を言語化する
数学の記述対策というと、難しい証明ばかりを想像するかもしれません。しかし、普段の文章題で「何を求めるために、この式を立てたのか」を説明することから始められます。
例えば、「定価の2割引きで買った品物の代金が1,600円だった。定価はいくらか」という基礎的な問題を考えます。ノートの作り方を確認するための例です。
| 答えだけのノート | 考え方がわかるノート |
|---|---|
| 2,000円 | 定価をx円とする。2割引きの代金は定価の0.8倍なので、0.8x=1600。これを解くとx=2000。したがって定価は2,000円。 |
答えが合っていても、たまたま当たったのか、条件を理解して求めたのかは、答えだけでは確かめにくいものです。式の意味を言葉にすると、自分が理解できていない部分も見つけやすくなります。
上位校の問題に取り組むときも、条件の整理、使う性質や定理、式や証明のつながりを意識してください。「なぜ、その式になるのか」「なぜ、そのことがいえるのか」を省略し過ぎないことです。
ただし、文章を長く書けばよいわけではありません。設問が求める説明を、必要な式や言葉で示します。途中の記述をどう評価するかは問題ごとに異なるため、「途中式があれば必ず部分点がもらえる」ということではありません。
国語|思ったことを書くのではなく、本文と設問に根拠を求める
国語の記述問題は、自由な感想を書く問題とは異なります。理由を問われているのか、内容を説明するのか、違いを比べるのか。まず、何を答える問題かを確かめましょう。
例えば、本文が「図書館は、本を借りるだけの場所ではない。調べ物の相談ができ、地域の人が学ぶ場にもなっている」と述べているとします。
「なぜ、本を借りるだけの場所ではないといえるのか」と問われたとき、「図書館は大切だから」では理由が具体的になっていません。「調べ物の相談ができ、地域の人が学ぶ場にもなっているから」と答えれば、本文に示された根拠が伝わります。
実際の問題では、根拠が複数の段落に分かれていたり、同じ内容が別の言葉で述べられていたりします。必要な部分を探して整理し、設問の条件に合わせてまとめる練習が必要です。
書き終えたら、「これ」「それ」などが何を指すか、理由と結論がつながっているか、字数や指定された語句などの条件を守っているかを確認してください。字数を埋めることだけに気を取られてはいけません。
解答の丸写しで終わらない、5段階の解き直し
記述で間違えたとき、解答例をきれいに写すだけで直しを終えていませんか。写すこと自体が悪いわけではありませんが、それだけでは、自力で答案を作る力にはつながりにくいです。
塚本塾では、演習と直しを、自分でできるようになるための過程として考えています。日々の勉強でも、次の流れを取り入れてみてください。
| 段階 | やること |
|---|---|
| ① 自分の答案を残す | 最初に何を書いたか、どこで止まったかが分かるようにしておく。 |
| ② 違いを確認する | 解答例や解説と比べ、知識・読み取り・根拠・説明のどこに不足があったかを探す。 |
| ③ 基本に戻る | 不足していた単語や文法、公式、本文の内容などを確認する。 |
| ④ 見ずに書き直す | 解答を閉じ、問題からもう一度自分で答案を作る。 |
| ⑤ 日を空けて確かめる | 翌日や数日後にも解き、自力で読み、考え、書けるかを確認する。 |
④で止まったなら、その場での理解が完成していないことが分かります。しかし、そんなことで落ち込む必要はありません。次に何を練習すればよいかを見つけるための確認ですから。
また、自分では不足に気づけないこともあります。解答例と少し言い方が違うだけで誤答にしたり、逆に必要な内容が抜けたまま正解にしたりせず、迷った答案は先生に見てもらいましょう。
記述練習は、知識の勉強と一緒に進める
「記述力が大切なら、文章を書く練習だけ増やせばよい」ということでもありません。英語なら単語と文法、数学なら計算や基本事項、国語なら語彙と文章理解が土台です。
知識が足りなければ、考えるための材料が不足します。一方で、覚えたことを使う練習がなければ、問題の中で生かせません。覚える→使う→書く→不足を確かめるという往復が必要です。
特に桃山の自然科学総合のような検査では、知識を身につけたうえで、資料や条件から考え、説明することが重要になります。説明会で繰り返しお伝えしたのも、この点です。
中1・中2から始め、中3は時間内に書く練習へ
中1・中2は、今学んでいる内容で練習できます。数学の文章題で式の理由を一言添える、英文の解答を主語・動詞まで確かめる、国語の答えの根拠を本文に示す。こうした小さな積み重ねでよいのです。
中3は、志望校の検査内容に合わせ、制限時間を設けた演習にも取り組みましょう。時間をかければ書ける段階から、本番の時間内に必要な解答を残せる段階へ進めます。
ただ、速く書くことだけを求めて、内容が雑になっては意味がありません。正確さを維持しながら、問題を読む時間、考える時間、書く時間を見直していくことです。
新制度に対応した問題がまだ十分にそろわない時期でも、過年度の問題や日々の教材で、読む・考える・書くという土台は鍛えられます。
ご家庭では「根拠はどこ?」と聞いてみてください
保護者の方がもし勉強を手伝ってあげられるのなら、難しい問題をすべて教える必要はありません。解いたあとに「どうしてそう考えたの?」「本文のどこに書いてあった?」と、考えたことを聞いてみてください。
言葉にしようとすると、自分の中で曖昧だった部分に気づくことがあります。また、口で説明できたら終わりではなく、問題の条件に合わせて答案にも書けるかも確かめましょう。
うまく説明できない時も、すぐに答えを教えたり、問い詰めたりせず、「どこまでは分かった?」と一緒に整理するところからで大丈夫です。
上位校を目指すなら、「書いて確かめる」勉強へ
小論文という独立した検査がなくても、各教科で求められる記述力はなくなりません。知識を正確に身につけ、それを使って考え、相手に伝わる答案にする。この練習を、普段の勉強に組み込んでください。
塚本塾では、演習を通じて現在の課題を見つけ、直しと再演習で、自分でできることを増やしていくことを大切にしています。解説を読んで終える前に、もう一度、自分の手で書いてみましょう。そこから次の一歩が見えてきます。
志望校ごとの検査内容・配点は、第4回と第5回で比較しています。今回の勉強法と合わせて、学習計画を見直す際にご利用ください。
入試制度と、これからの準備を詳しく知りたい方へ
12月6日(日)10:00~11:30、塚本塾で京都府公立高校入試制度説明会を開催します。
独自枠・共通枠の仕組みや内申点、高校選び、今から取り組める準備を、正式な選抜要項に基づいてお伝えします。
参加無料。塚本塾に通っていないご家庭が対象です。親御さんのみでも、親子でも。他塾に通っている方も歓迎します。
参考資料
塚本塾「京都府公立高校 新入試制度・受験戦略説明会」(2026年9月23日・10月4日)の資料、および説明会で使用した令和9年度の学校別募集要項に基づいています。学校別の検査内容は、堀川(68~69ページ)、西京(61~62ページ)、嵯峨野(41ページ)、桃山自然科学科(49ページ)、城南菱創教養科学科(83~84ページ)、南陽サイエンスリサーチ科(105ページ)をご確認ください。
※本文中の短い練習例と学習方法は、塚本による説明・提案です。入試問題や公式の採点基準を示すものではありません。出願にあたっては、最新の募集要項と中学校の案内をご確認ください。



