高校国語と二極化

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今の中学3年生が高校生になる2022年度から、高校の新しい学習指導要領が実施されます。
さまざまな科目で変更がありますが、今回は国語についてです。

2022年度から、高校の国語の現代文が、「文学国語」と「論理国語」に分けられます。
各高校の方針・裁量によって、どちらを履修するかが決められるようです。

「文学国語」は、従来の国語のイメージそのままに、芥川龍之介や夏目漱石など、いわゆる文学作品を学びます。
これまでは国語といえば、こういうものを指していました。

一方、「論理国語」では、会社の広報や契約書などが教科書の中に並び、そういった実用文を中心に学んでいきます。
実用文を中心に学ぶ国語教科書というのは、初めてではないでしょうか。

このような実用文中心の教科書ができた背景のひとつには、「学力の二極化」があります。
2021年度に初めて行われた大学入学共通テストでは、実用文を扱った問題が出題されました。
文部科学省の、国の方針として国語で実用文を学んでほしいということです。

では、なぜ文学よりも実用文なのか?
なぜ、改革がその方向に行ったのか?

それはおそらく、高尚な文学作品を味わうどころではなく、
学校からのお便りレベルの実用文さえも、しっかりと理解できない子が増えている現状があるからではないでしょうか。

国語の授業で、取扱説明書や会社広報の読み方を学ぶ。
ちょっと想像しにくいですし、想像すると笑けてきますが笑
2022年度からは、これが現実になるのです。

幼い頃からたくさんの本に触れて地頭がよくなった子たちにとっては、実用文の勉強など改めてする必要などありません。
指導要領が新しくなって変更されても、自分の趣味の範囲で本を読み、積極的に教養を身につけていくでしょう。

一方で、もともと本を読まず読解力のない子たちは、高校の「論理国語」の授業で実用文の読み方を学びます。
説明書や契約書の読み方を学ぶのです。わざわざ高校の国語の授業で。
そして実用文を学ぶことにほとんどの時間を費やすため、文学作品になど触れる時間はありません。
文学に触れたことがない生徒が大量発生するのです。

これが進むとやがて、

・文学や評論に親しむ教養のある人
・実用文しか読めない(読まない)教養のない人

の二極化が進むのでしょう。
今よりももっともっと。

コワイですね。
自分や家族の身と心は、自分で磨いていく時代になりました。

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