「2027年度から、京都府の公…
「京都府公立高校入試2027|内申点はどう計算する?共通枠と独自枠の違い」
「京都府の公立高校入試では、中1の成績も使われるのですか?」
「実技教科は2倍と聞きましたが、どの受検枠でも同じですか?」
2027年度からの新しい入試制度を考える時、出願先や受検枠とともに確認したいのが、内申点の扱いです。説明会でも、学校の成績と入試当日の学力をどう両立させるかについてお話ししました。
第3回では、共通枠の計算方法と、独自枠で確認すべき違いを整理します。内申点を気にするだけで終わらず、今の学習をどう変えるかまで考えてみましょう。
内申点は、中1・中2・中3の評定をもとにする
ここでいう内申点は、中学校が作成する「報告書」に記載された教科の評定を、選抜で使う点数にしたものです。2027年度入試では、共通枠・独自枠ともに、中1・中2・中3の評定の合計が基本になります。
「受験に使うのは中3の成績だけ」と考えていると、準備が遅れてしまいます。中1・中2の普段の学習も、受験につながっています。
ただし、各学期の通知表の数字をすべて足すという意味ではありません。入試に使うのは、報告書に記載される各学年の評定です。通知表との対応や自分の評定については、中学校で確認しましょう。
共通枠は195点満点。実技4教科は2倍になる
共通枠では、国語・数学・英語・理科・社会の5教科はそのまま、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の4教科は評定を2倍にして計算します。
| 教科 | 1学年分の満点 | 3学年分の満点 |
|---|---|---|
| 国語・数学・英語・理科・社会 | 5点 × 5教科 = 25点 | 75点 |
| 音楽・美術・保健体育・技術・家庭 | 5点 × 4教科 × 2 = 40点 | 120点 |
| 合計 | 65点 | 195点 |
例えば、報告書に載る評定が3年間すべての教科で「4」だった場合、1学年分は「4 × 5 + 4 × 4 × 2 = 52点」。3学年分では156点になります。
1つの学年で評定が1段階上がると、5教科では1点、実技教科では2点の違いになります。英語や数学の勉強に力を入れながら、実技教科の授業や課題にも丁寧に取り組むことが大切です。
共通枠では、内申点195点満点と、入試当日の統一学力検査200点満点を使って合否を判定します。
独自枠は、学校・学科・方式ごとに配点を確認する
独自枠でも中1〜中3の評定が基本になりますが、共通枠の「実技4教科を2倍・195点満点」を、そのまま当てはめてはいけません。学校・学科・選抜方式によって、報告書の配点や換算方法が異なります。
説明会で取り上げた学校にも、次のような違いがあります。下表は各学校の独自枠の一部を示しています。
| 学校・学科/選抜方式等 | 報告書の配点 |
|---|---|
| 堀川高校・探究学科群/A方式 | 100点 |
| 西京高校・エンタープライジング科/A方式1型 | 135点 |
| 嵯峨野高校・京都こすもす科/判定Ⅰ・Ⅱ | 135点 |
| 嵯峨野高校・京都こすもす科/判定Ⅲ | 270点 |
嵯峨野高校の判定Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、受検生が自由に選ぶ別々の方式ではなく、学校が定めた判定の段階です。判定Ⅲの対象は保護者の住所が京都市・乙訓地域にある受検生で、宇治市など山城地域の受検生は、その対象条件に当てはまりません。
また、報告書の満点だけを見て「この学校のほうが内申重視」と比べるのも不十分です。学力検査や面接などを含む全体の配点と、判定方法をセットで見る必要があります。堀川・西京・嵯峨野の違いは、次回の記事で詳しく取り上げます。
上位校を目指す場合も、内申点と学力の両方が必要
上位校の独自枠を考えると、難しい問題への対策に意識が向きがちです。もちろん、英文を正確に読む力、数学で考えた過程を示す力、国語で根拠を説明する力は欠かせません。
その一方で、報告書を点数化する方式を受けるなら、学校の成績も合否に関わる要素です。「上位校を目指すから内申点は関係ない」という考え方では、受検の選択肢を狭めてしまいます。
反対に、学校の成績がよくても、個別学力検査に対応できるとは限りません。
上位校の個別学力検査はとてもよく練られた問題であったり、量が多かったりします。定期テストで学習内容を確実に身につけ、それを初めて見る問題でも素早く使えるようにする。この積み重ねを大切にしたいところです。
中1・中2から、今の学習をどう変えるか
まず取り組みたいのは、次の3つです。
① 通知表を見て、教科ごとの課題を具体的にする。
数字だけを見て終わらず、どの観点に課題があるかを確かめましょう。分からないところは、教科の先生に「次に何を改善するとよいですか」と相談すると、行動に移しやすくなります。
② 定期テストの勉強を、解き直しまで続ける。
テスト前に覚えたことを、テスト後に忘れてしまうと、受験の土台が残りません。間違えた問題は、答えを写すだけでなく、その周辺の知識も自分で調べて、数日後に自力で解けるかまで確認しましょう。
③ 実技教科も、授業の目標と課題を確かめて取り組む。
提出期限を守ることに加え、課題の内容や授業で学ぶ技能を丁寧に確認しましょう。「提出さえすれば内申が上がる」とは限りません。各教科で求められる理解や表現を身につけることが大切です。
すでに出た内申を変えることはできませんが、これからの学習や成績まで決まっているわけではありません。過去の数字だけで志望校を諦めるのではなく、今から何を伸ばせるかを考えましょう。
内申点とあわせて、今の学力も確認しよう
通知表は、学校での学習状況を考える大切な資料です。志望校への準備を考えるときは、それに加えて、これまでに習った内容が定着しているかも確認しておきたいところです。
塚本塾では、塾生以外の中1・中2生も受けられる冬の合格判定テストを実施します。
英語・数学・国語の現在の学力を確認し、次の学習につなげたい方は、実施要項をご覧ください。なお、志望校判定は中2生が対象です。
新入試制度の全体像から確認したい方は、第1回の記事もあわせてお読みください。
次回は、堀川・西京・嵯峨野の入試を比較します。学校名の印象だけで選ぶのではなく、検査内容や配点から、どのような準備が必要なのかを考えていきます。
※本記事は、2026年10月6日時点で公表されている2027年度(令和9年度)の選抜要項・独自枠募集要項をもとにしています。中1・中2生が実際に受検する年度の詳細は、その年度の要項で確認してください。
参考:京都府教育委員会「令和9年度京都府公立高等学校入学者選抜要項」(選抜要項本文、および独自枠募集要項の嵯峨野・西京・堀川の各ページ)




