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京都府の高校入試「前期選抜 《独自枠》・《共通枠》」制度をやさしく解説|最新の選抜内容と受験スケジュール(予定)を図解で紹介
「うちの子ももうすぐ高校受験だけど、入試制度が変わるって本当?」
「今までと何がどう違うの?」
そんな疑問や不安をお持ちの保護者の皆様へ。
2027年度の選抜(入試)から始まる『新しい入学者選抜制度』は、今までの前期・中期・後期の3回選抜から前期・後期の2回に変わり、出願や検査方法も大きく変わります。今回は、京都府公立高校入試の新制度について、2025年6月現在で発表されている制度案のポイントをわかりやすく、やさしく解説します。まずは全体像をつかんで、お子さんの受験準備に役立ててください。
※正式な発表により制度が確定するのは、令和8年(2026年)夏の予定です。
新しい入試制度は「2回受験」!これまでとの違いとは
お子さんの高校受験、本当に不安が多いですよね。「制度が変わる」と聞くと、なおさら心配になってしまうものです。
そこで、まず最初に「今回の入試改革で何が一番大きく変わるのか?」をしっかり押さえておきましょう。
これまで京都府の公立高校入試は、「前期選抜」「中期選抜」「後期選抜」と、3回の受験チャンスがありました。しかし新しい制度では、「前期選抜(仮称)」と「後期選抜(仮称)」の2回だけになります。
さらに、大きなポイントは最初の前期選抜(仮称)でほぼ全ての高校・学科が募集を行うということ。これにより、志望校へのチャンスがより平等になり、本命の学校にしっかりチャレンジできるようになります。
また、体調不良などやむを得ない事情で前期選抜を欠席した場合も、追検査が約1週間後に設けられるなど、受験生への配慮も強化されています。
受験機会が減るのでは・・・と心配されるかもしれませんが、
「日程のわかりやすさ」
「実施のメリットがあまり感じられなかった、従来の普通科前期選抜の仕組み改善」
など、非常にすっきりとシンプルになるものと思われます。
ここで、現行制度と新制度の主な違いを表にまとめてみました。
京都府の公立高校入試:現制度と新制度の比較
項目 | 現行制度(~2026年度実施) | 新制度(2027年度導入予定) |
---|---|---|
選抜回数 | 3回(前期・中期・後期) | 2回(前期選抜(仮称)/後期選抜(仮称)) |
前期選抜募集範囲 | 定員の30%程度募集 | 全校・全学科で定員の100%募集 |
欠席対応 | 一部追検査のみ(音楽・美術系など) | 前期選抜の追検査を検査日翌週に実施予定 |
前期選抜方式 | A/B/C方式で方式により検査内容が分かれる | 「共通枠(仮称)」+「独自枠(仮称)」の2枠制 |
後期選抜 | 欠員が出た学校のみ実施 | 欠員に応じて実施、内容は検査+面接+報告書評価 |
🌟 ポイント解説
- 選抜回数が2回に集約され、保護者も中学生もスケジュールがシンプルに。
- 前期で全校募集するので、「前期で本命校を受験する」「2日間の日程なので併願戦略も立てやすい」です。
- 1週間程度の期間を空けて追検査が実施されるので(予定)、万が一当日体調を崩してもリカバリー可能に。
- 検査方法が「共通枠」と「独自枠」に整理され、枠ごとに志願方法や検査内容を選ぶ選択肢が明確になりました。
「独自枠」と「共通枠」って何? 志望校の選び方が変わる!
新しい京都府公立高校入試では、「前期選抜(仮称)」が大きく変わるポイントです。今までよりもシンプルでわかりやすくなる一方、「独自枠」と「共通枠」という新しい考え方が登場します。
「一体どう違うの?」と疑問に思う方も多いと思いますので、できるだけわかりやすくお伝えします。
◆ 独自枠とは?
独自枠は、各高校が「うちの学校はこんな生徒に来てほしい!」という思いを反映した、学校ごとの特色を重視した選抜です。
たとえば、面接や作文、学校独自の学力検査、実技検査など、その学校が求めている学力や技能を評価します。「この学校にどうしても行きたい」「自分の得意分野を生かしたい」というお子さんにはピッタリです。
- 独自枠は1校1学科のみ志願できます。
- 学校ごとに求める生徒像や評価方法が公開されます。
◆ 共通枠とは?
共通枠は、京都府内すべての高校で同じ内容・配点の学力検査と、中学校からの報告書(内申点)で選抜される枠です。志願できるのは最大で3校3学科まで。
より多くの学校にチャレンジできるのが特長です。
- 主要5教科(国・社・数・理・英)のテスト(各40点×5教科=200点)+中学校3年間の報告書(195点満点)が合否判定に使われます。
- 独自枠に加えて、共通枠でも志願することができます。
◆ 両方志願もOK!
独自枠・共通枠の両方に志願することができ、最大4校4学科まで受験可能です(独自枠1校+共通枠3校)。
選抜日程は、「連続する2日間」とされていますので、1日目の共通枠、2日目の独自枠の両日に受験できます。
たとえば、「第1志望はどうしても行きたい2日目の特色校の独自枠にチャレンジして、安全策として他の高校を1日目の共通枠で受験」といった“併願戦略”も立てやすくなります。
【志願の仕組み】
(1日目・共通枠) (2日目・独自枠)
↓ ↓
高校A・高校B・高校C 高校D
(最大3校まで) (1校のみ)
このように、「独自枠」と「共通枠」の違いを理解すると、志望校選びの幅が広がるのが新しい制度の大きな特徴です。
「うちの子はどんな学校・どんな入試が向いているのかな?」と、ご家庭でじっくり相談してみてくださいね。
入試の流れとスケジュール|保護者が知っておくべきポイント
新しい入試制度、どのタイミングで何があるのか?
「まず流れが知りたい!」という親御さんも多いことでしょう。ここでは、前期選抜・後期選抜(仮称)の主なスケジュールと流れについて、わかりやすくご紹介します。
◆ 入試の流れ(前期選抜の場合)
1.出願(電子出願)
新しい制度では、出願はパソコンやスマートフォンから行える「電子出願」が導入される予定です。保護者の方が一緒に入力や確認をサポートしてあげると安心ですね。
2.検査日(2日間)
新制度の前期選抜は、2月中下旬に行われます。
2日間のうち、1日目は共通枠の共通学力検査(主に国語・社会・数学・理科・英語の5教科)、
2日目は独自枠の各学校独自の検査(学力・面接・作文・実技など)が実施されます。
※志願する枠や学校によっては、どちらか1日だけ受ける場合もあります。
3.追検査
万が一、体調不良などで検査日に参加できなかった場合も、1週間ほど後に追検査を受けられる制度が整えられています。これも保護者にとっては心強いポイントですね。
4.合格発表
前期選抜の合格発表は3月上旬が予定されています。不合格の場合でも、後期選抜に再チャレンジできます。
◆ 後期選抜の流れ
前期選抜で定員に空きがある場合、後期選抜が3月中旬に実施されます。内容は主に学力検査・面接・中学校からの報告書の評価で、合格者が決まります。
◆ 受験スケジュールのイメージ
時期 | 主な流れ |
---|---|
1月~2月 | 電子出願・準備 |
2月中下旬 | 前期選抜(共通枠・独自枠の検査) |
2月下旬~3月上旬 | 追検査(必要な場合のみ) |
3月上旬 | 前期選抜 合格発表 |
3月中旬 | 後期選抜(必要な場合のみ) |
3月中旬~下旬 | 後期選抜 合格発表 |
◆ 保護者ができるサポート
- 事前にスケジュールを一緒に確認して、余裕を持った準備をしましょう。
- 電子出願は、早めに入力や必要書類の確認を済ませておくと安心です。
- 体調管理や生活リズムのサポートも大きな力になります。
- お説教では成績は上がらないので、大切な我が子を暖かく見守り、諭してあげてください。
入試の流れやスケジュールをお子さんと共有して、親子が気持ちをひとつにして進めていけると、不安もグッと小さくなります。
よくある質問集|保護者の疑問にやさしくお答えします
新しい高校入試制度について、保護者の方からよくいただくご質問をまとめました。どれも多くのご家庭が感じる疑問ですので、ぜひ参考になさってください。
Q1. 前期選抜と後期選抜、両方に出願できますか?
A.
前期選抜と後期選抜は、どちらにも出願できます。ただし、前期選抜で合格した場合は、後期選抜には出願できません。前期で残念ながら不合格だった場合のみ、後期選抜へのチャレンジが可能です。
Q2. 「独自枠」と「共通枠」には、両方同時に志願できますか?
A.
はい、どちらにも同時に志願できます。「独自枠」は1校1学科まで、「共通枠」は最大3校3学科まで志願できるため、最大で4校4学科までチャレンジが可能です。
「独自枠」の合格者を先に決定した後、「共通枠」の合格者が決定されます。
Q3. 前期選抜を体調不良などで欠席した場合、どうなりますか?
A.
やむを得ない理由で前期選抜を欠席した場合、約1週間後に追検査を受けられる仕組みが整えられます。体調管理には十分ご注意いただきつつ、万が一の時も慌てずご相談ください。
Q4. 独自枠・共通枠の検査内容や配点はいつ分かりますか?
A.
各高校の独自枠の検査内容や配点、募集人員などは、2025年度(令和7年)6月頃に公表予定とされています。志望校が決まったら、必ず最新情報をチェックしてください。
詳細が決まりましたら、別記事にてご紹介する予定です。
Q5. 受験に必要な準備は、いつから始めればいいですか?
A.
早めの情報収集と準備がおすすめです。制度の詳細が公表され次第、進路相談や学習計画を立てていきましょう。生活リズムを整えたり、苦手科目を克服したり、できることから少しずつ始めると安心です。
制度が新しくなるのは誰しも不安ですが、情報をしっかり押さえて準備することで、お子さんの希望を応援できる体制が整います。「うちも大丈夫かな?」と感じる時こそ、早めに、焦らずじっくり、親子で一歩ずつ進んでいきましょう。